
新たな価値を創出し、医療の未来に貢献する
当社は1984年の設立以来、医薬品企業の新薬開発支援として、申請業務におけるメディカルライティングおよび翻訳サービスを皮切りに、医薬品・医療機器企業の業務支援に特化したサービスを展開してまいりました。現在に至るまで、提供するサービスを柔軟に進化させながらも、「お客様の業務支援を通じて課題を解決する」という姿勢は、当社の事業の中核を成しています。
現在は、安全性情報管理、ドキュメント支援、製造販売後調査支援、臨床研究支援等、市販後領域を中心に、包括的なCROサービスを提供しています。単なる作業の受託にとどまらず、業務プロセスの設計や標準化に取り組み、「生産性向上」と「品質の安定」というお客様の根本的な課題に対し、委託先として解決策を提示・実行できることが当社の強みです。
現在、CRO市場では、委託対象業務やその進め方が大きく変化しつつあります。中長期的には、生成AIや自動化技術の進展により、人手による定型作業は急速に代替される見通しであり、市場全体の委託ボリュームも縮小していく可能性があります。これらは、CRO業界にとって構造的な脅威といえます。ただし、お客様にとってこの変化は、業務効率やコストの面で望ましい進展であり、むしろ課題解決を後押しするものです。
この変化は、将来の可能性にとどまらず、すでに一部の業務や市場環境において兆しが見え始めています。加えて当社自身も、自動化や業務効率化を主体的に推進しており、その影響は、短期的な業務量や収益構造にも一定の変化をもたらす局面があると見込んでいます。とはいえ、これらは将来に向けた価値ある構造転換の一環であり、持続的な競争力の確立に不可欠な取組みであると認識しています。
当社はこの構造変化に正面から向き合い、業務プロセスの自動化・標準化を進めるとともに、業務の安定性と効率性を両立させるセンター運営の強化を引き続き着実に推進します。その上で、判断・顧客対応・品質担保・マルチタスクへの対応等、人が担うべき実務価値領域に資源を集中させ、AIと共存する新たなCROモデルを確立します。
また、今後、需要が見込まれる高度な医療機器分野では、開発から申請、市販後までを対象に、デジタル技術とデータの活用を組み込んだ一貫体制を基盤とし、海外グループ会社と連携し、国内外における事業展開を多角的に支援できる体制へと進化させていきます。
さらに中長期的には、医療・医薬関連領域において、新たな事業の創出に取り組みます。既存サービスが対応しきれていない細分化された実務課題に対し、現場の実態に即した支援モデルをデジタルと融合させて構築し、特定領域で高い専門性と収益性を両立する新しい価値を提供していきます。
こうした取組みを通じて、医薬品・医療機器企業の真のパートナーとしての価値をさらに高め、変化する産業構造の中でも持続可能な成長を実現してまいります。人材とテクノロジーへの戦略的投資を継続し、新たな価値の創出を通じて、お客様の課題を解決し、医療の未来に貢献し続けます。
今後とも、株主の皆様のご期待にお応えすべく、果敢に挑戦し続けてまいります。
代表取締役社長
谷口 晴彦
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